わたしは今年で40。音楽が好きでいろいろ聞いているが、やっぱり特に好きだった音楽たちは00年代、自分が高校~大学時代の頃のものが多く、なにかにつけてつい聞き返しては感傷に浸ったりする。今はYouTubeでMVとかも容易に見れるしね。昔はMV見たけりゃVHS/DVDを買うか、スペースシャワーTVやM-ON!(Viewsic)で特集が組まれたときのやつを録画するなりしておくしかなかった。
とまあそんなかんじで20年前の音楽ばかり聞いては「昔はよかった」ではいよいよ老人である。このままではどっちがアーティスト名でどっちが曲名かわからないとか言い出す老害になってしまう。
というわけで、ここ数年は「現代にしがみつく作業」として、サブスクで最新曲のプレイリストを毎週チェックするという作業を行うようにしている。
このプレイリストは”今週話題の新曲を一気にお届け。毎週金曜日更新。”というキャッチコピーでYouTube Musicで自動生成されるものだ。基本的にはその週にリリースされた約100曲弱の楽曲で構成され、毎週更新されていく。わたしの場合は洋楽・K-POPには興味がないので、それ以外の曲を作業中やトレーニング中などに垂れ流しており、その中で気になったものがあれば高評価ボタンを押しておき、時間のあるときに改めて聞くというルーティーン。20年前のわたしが毎週火曜日になると当時はモアーズにあった横浜駅のタワレコに行っては片っ端から試聴機で気になる新譜を聞き漁ってたあの作業。要はあれの現代版だ。あれがオンラインを通じて手軽にそして手広く行えるようになった。
この作業を毎週やっていると、今度は「高く評価した音楽」というプレイリストがまた自動生成されていき、高く評価した曲が増えていくと、中には同じアーティストの曲が複数になっていったりする。そうすると「あ、わたしはこの人たちのことが好きなのかもしれない」という気づきになり、そこからアルバムや他の楽曲を聞いてみたり、さらに深入りしていってライブに足を運んでみたり。そこまでいけばもはや普通にファンである。
もちろんプレイリストを垂れ流していると人気アーティストの曲や話題のタイアップ曲などは軒並み網羅できるので、今の音楽について話すときも最低限話を合わせることくらいはできるようになる。それだけでもおっさんには大きな財産である。若者の話に相槌を打てるだけでも助かる場面はあるのだ。
わたしはこのルーティーンをかれこれもう4年ほどやっている。毎週5時間以上あるプレイリスト(前はもっと少なかったが徐々にボリューミーになってきた)を隈なくチェックするのは正直ヘビーなので、最近では「この人の曲は好みじゃないんだよな」というのはスキップしたりすることもある。苦行や修行の類ではないのでそのへんはうまくやっている。
20年前と比べて流行の音楽の形は変わったかもしれないが、それは決して善し悪しの問題ではない。現代では才能のベクトルも才能の発表の場も広く開かれているという印象。それらをうまいことキャッチしてまだまだ人生楽しんでやるぜという気持ちでいる。